Franco Albanelli

フランコ・アルバネッリは師匠ガエタノ・ポラストリの下で製作を学ぶ。ポラストリの工房では、アルバネッリとともに非常に評価の高いオテッロ・ビニャーミの二人が、この影響力のある師匠の弟子の中でも最も頭角を現していた。ちなみにポラストリは、ボローニャのバイオリン製作専門学校でも多くの優れた職人を育てている。フランコ・アルバネッリが製作した楽器は全部でわずか40丁しかないと言われている。それらの作品すべてが、スタイルにおいても、また高水準の品質という点からも、師匠であるガエタノ・ポラストリの教えに敬意を表している。

このバイオリンは、艶のある深い赤色のニスを使用した現代的な秀作で、慎重に細工されたパーフリングの中心にはめ込まれた明るく、やや幅の広い象嵌のようなエレガントなディテールをさりげなく引き立てている。見た目の美しさが、完璧にバランスのとれた音と鮮やかに調和しており、反応が極めて速く、華やかな明るさと温かさや甘さを併せ持ったサウンドと力強い共鳴が特徴である。

このバイオリンは、アルバネッリのキャリアにおいて最良の時期と言われている比較的初期の作品。アルバネッリの初期の作品は、師匠の影響が依然として強く残っており、ポラストリとの類似点が多く見られるものの、少しずつその影響から脱却しつつある。その作りの重厚感とは裏腹の独特の甘美な音色、イタリアらしい響き、そして弾き心地が優れたこの楽器 は、洗練された専門家をも十分に満足させるであろう。