• Vuillaume Stamp Maline Violin Bow Back
  • Vuillaume Stamp Maline Violin Bow Front

Nicolas Maline

c. 1850 - 1855 / Mirecourt

ニコラ・マリーヌ (1822-1877)はフランスの弓製作家であり弦楽器製作家でもあった。

マリーヌは父親のギヨーム・マリーヌを含む弦楽器製作家の一族出身。彼は ミルクール で見習いをし、エティエンヌ・パジョー、J.B. ヴィヨームや他の工房で働いた。初期の作品はパジョーのスタイルに従ったものの、その後パリで流行したペカット流の斧の形のヘッドの影響を受け、異なる方向に進む。

マリーヌの最高の作品の多くはヴィヨームの工房から販売され、ヴィヨーム名の刻印を使用している。この時期の作品は ドミニク・ペカットの作風に大きな影響を受けている。歴史的に重要な弓職人の一人。フランソワ・ニコラ・ボワランはその後継者である。マリーヌの弓は、その滑らかな弾き心地と音響性能の高さから、19世紀のフランスの弓の中でも最も素晴らしいもののひとつと評されている。 

この銀・黒檀作りの弓は、この製作家の作品の質の高さを示す好例。19世紀のフレンチの最高級品の特長である、強さとしなやかさの完璧な融合を実現している。 完璧なバランスを保ちながら、滑らかでボリューム感のあるエレガントな音を生み出す。熟練したソリストにとっての弓の一つの理想形である。

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